水害時の洗浄と消毒
水害により汚水が家屋等に流れ込んだ場合、細菌等が繁殖しやすい環境になり、食中毒や感染症が発生する恐れがあります。これらを予防するために、まずは洗浄や拭き取り作業をして汚れを除去してから、十分に乾燥させたうえで消毒作業を行ってください。
基本の作業
水害により汚水が家屋等に浸入した場合は、以下の基本の作業をお願いします。
- まずは洗浄や拭き取り作業をして、汚れを除去します。
汚れをとることがとても重要です。 - 充分に乾燥させます。晴れた日に風を通したり、乾燥をさせることにより、次の消毒の効果を高めます。
- 「逆性せっけん」や家庭用の塩素系漂白剤を水で薄めて、よく拭きます。
- 逆性せっけん・・・塩化ベンザルコニウムというもので、薬局やドラッグストアで購入できます。
- 塩素系漂白剤・・・台所で使うキッチンハイターなどで、ドラッグストアやホームセンター等で購入できます。
- 消石灰・・・汚水・下水がはいったコンクリートや土壌は、よく乾燥させた後、散布します。ホームセンター等で購入できます。
場所別の作業
床上・床下浸水の場合
- 家の周りや床下にある汚泥や水をかきだし、水が引いた後、家の中の不要なものや汚泥を片づける。
- 泥水で汚れた床、壁、家具などの水洗いが可能なものは水道水でよく洗い流し、ぞうきんで水拭きする。その後、消毒薬を浸した布などでよく拭いて十分乾燥させる。
- 冷蔵庫や食器棚等は、汚れをよく拭きとったあと、消毒用アルコールなどで消毒をする。
- 食器や調理器具等は、よく汚れを洗い流したあと、熱湯消毒をする。汚染が気になる場合は、台所用の塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)を薄めた液の中に5分程度浸して消毒した後、清潔な水で洗う。
- 床下は、水で洗い流せる場所はよく汚れを洗い流し、風通しを良くして乾燥させる。
- 汚染が心配な時は、必要に応じて周囲などに消毒薬または消石灰を散布する。
※消毒薬の使用については、人体、ペット、環境への影響などを考慮し、過剰な散布は控えましょう。
戸外・床下
犬舎・ゴミため・下水溝・し尿層や下水があふれた場所、動物の死骸や腐敗物が漂着した場所など
消毒薬名 |
使用方法 |
備考 |
消石灰 | 水が引いてから、汚染が気になるところに消石灰を表面が白くおおわれる
程度に散布する。 |
消石灰は水との接触で発熱することがあるので、注意する。 |
逆性せっけん | 壁などの汚れを落とし、逆性せっけん10mlを水1リットルに加えて、ジョウロ等で散布、またはきれいなぞうきんを浸し、拭く。 |
汲み取り式トイレ
消毒薬名 |
使用方法 |
備考 |
消石灰 | 便槽の内容物をくみ取った後、周囲にあふれた場所の壁などの汚れを水で流し、家の周囲等に消石灰を表面が白くおおわれる程度に散布する。 | 消石灰は水との接触で発熱することがあるので、注意する。 |
便所・便器の消毒
消毒薬名 |
使用方法 |
備考 |
次亜塩素酸ナトリウム
(ミルトン、キッチンハイター等) |
汚染された場所を水で洗いながし、塩素系漂白剤(台所用)10%の製品を水1リットルに2mlを加えた消毒薬にきれいなぞうきんを浸し、拭く。
その後水拭きをする。 |
酸性製品(サンポール等)とは同時に使用したり混ぜたりしないこと |
家屋内
汚水に浸った壁、床、家具等
消毒薬名 |
使用方法 |
逆性せっけん | 壁などの汚れを落とし(流水で流すまたは水拭き)、逆性せっけん10mlを水1リットルに加え、きれいなぞうきんを浸し、拭く。
その後は風通しをよくし乾燥させる。 |
調理器具・食器等
消毒薬名 |
使用方法 |
備考 |
次亜塩素酸ナトリウム
(ミルトン、キッチンハイター等) |
食器等を水洗いした後、熱湯消毒をするか塩素系漂白剤(台所用)10%の製品を水1リットルに2mlを加えたものに5分程度浸し、水洗い後乾燥させる。 | 色落ちや錆びる恐れがあるものには使用しない |
手指
後片付けなどで汚染された箇所や土に触れた手指
感染症や食中毒は菌が口から入ることにより発症するケースが多いため、手洗いや手指消毒は十分に行うこと。
消毒薬名 |
使用方法 |
備考 |
逆性せっけん | 汚れを石鹸でよく洗った後、流水で石鹸を流す。
洗面器などに入れた1リットルの水に逆性せっけん10mlを加え、手を浸し、30秒以上もみ洗いをする。 その後、乾いたタオルでよく拭きとる。 |
石鹸成分が残っていると殺菌力が低下する。
よく洗い流してから逆性せっけんに浸す |
井戸水
汚染された水は水質検査で飲用可能になるまで飲まない方が良い。やむを得ず使用する場合は、煮沸してから飲む。
注意事項
- 薬剤の取り扱いには十分に注意し、長そで、長ズボン、メガネ、マスク、ゴム手袋を着用するなど、皮膚や目などにかからないように注意すること。
- 薬剤が目に入った場合や皮膚についたときは、すぐにふきとり、水で洗い流すこと。目に入った場合は、水で15分以上洗い流し、医師の診察を受けること。
- 他の消毒薬や洗剤などと混合しないこと。
- 浄化微生物に影響を及ぼすので、浄化槽には消毒薬を散布しないこと。
- 残った薬剤については、小さいお子さん等が間違って手に触れないように保管に注意すること。
- 家族の中で下痢や腹痛・発熱などの症状が出た場合には、感染症の疑いもあるので速やかに医療機関に受診してください。
- お問い合せ
- 生活環境課 防災・原子力安全係
- 代表電話番号
- 029-267-5111
- FAX
- 029-266-3577
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