「ソト」から見たおおあらいVol.42(家次 晃様)

 

日立埠頭株式会社取締役社長

家次  晃(Ietsugu Akira)

同社のクルーズ事業において『にっぽん丸大洗発チャータークルーズ』の長年に渡る実施により、東日本地域のクルーズ需要への貢献が評価され、昨年『クルーズオブザイヤー2023優秀賞』を受賞

 

大洗町の皆さん、こんにちは。
日立埠頭㈱の家次と申します。この度、縁があって寄稿させていただくこととなりました。
機会を頂戴したことに心から感謝申し上げます。

昨年の9月末の出来事、晴天の大洗港に華麗なる姿で入港する客船「にっぽん丸」、迎える多くの地元の方々や観光バス、そして歓迎ムードを大いに盛り上げる大洗高校のマーチングバンドの皆さん。着岸とともに響くマーチングバンドの音色は港いっぱいに広がり、乗船客はそのパフォーマンスに心を奪われ、迎えの観光バスに乗ることを忘れての釘付け状態。いやがおうにも上陸後の観光への期待が膨らんだはずです。
そして夕方、船に戻った乗船客を感動させたであろう「大洗海上花火大会」。地上から見ても壮麗な花火、船上からの鑑賞は、さらに一味違ってより贅沢なものではないだろうか、かく言う私が是非とも見たかった光景です。
実は、この実現は國井町長との会話から始まったものでした。客船の甲板から見る花火は最高だろうね、と。すぐに「にっぽん丸」の関係者と会話、このアイデアに即座に乗っていただき、名古屋発のクルーズが花火当日に大洗港に入港することに。アッという間に計画が進行し、昨年の9月末を迎えたのでした。乗船客の評判は極めて上々、アイデアを出していただいた國井町長には心から感謝しております。

さて、今回頂戴しているお題は『「ソト」から見たおおあらい』、自分の育った場所と比較することで大洗町を見てみました。
私は小学校から社会人になるまでの間、神奈川県藤沢市の江の島周辺(片瀬海岸=湘南海岸の一部)で育ちました。当時、湘南海岸は汚れもひどく、地元民は江の島の裏側(太平洋側)や海岸近くのプールで遊ぶばかり、海岸での海水浴には殆ど行きませんでした。むしろ高校生の時は特別訓練とかで海岸を走ったりするばかりで個人的にはあまりいい思い出のない場所です。
それはさておき、湘南海岸と大洗海岸、その周辺まで含めてみるとよく似ていると感じております。いずれも観光地であることは周知のこと、ビーチがあるのはもちろんですが、どちらにも水族館があり、神社があり、マリンタワーこそありませんが、江の島には灯台があり、周りを一望できるという点では共通だと思います。また、シラスが美味しく、湘南はサザエ、大洗はハマグリと貝類の名産があり、ヨットハーバーがあり、サーフィン人口も多いなどマリンスポーツも盛ん、等々、非常に似ていると思います。
ただ、大きく異なるのが日の出の見え方です。湘南海岸では、三浦半島の山の上から日が昇るのに対し、大洗は水平線から昇ってきます。湘南地方は富士山の方向に沈むので、それはそれで美しいのですが、やはり海から昇る日の出はこれに勝るものはありません。
聖徳太子風に言えば、日の出ずる処と日の沈む処の違い、とでもいうのでしょうか?言い過ぎると湘南海岸の方々に怒られそうですが、やはり海岸にある鳥居の向こう側の海から昇る初日の出をみると、心が大いに洗われる思い=大洗、です。

そんな大洗町、海の話ばかりになりますが、先に記したように、素敵なイベントができる環境にある町ですので、当社としては、その観光資源を最大限に活用させていただきながら、大洗港発着のクルーズや親子クルーズイベントをしっかりと継続していくとともに、更なる進化をさせるべく努力をしてまいる所存です。
そのためにも、地元の皆様のご協力が不可欠と考えております。
その意味においても、素晴らしいリーダーシップを発揮されている國井町長とはタッグを組ませていただきたいと思っております。

因みに、今年の9月の花火大会には「にっぽん丸」が寄港予定です。多くの観光客が、船上で朝日を浴びながら、大洗町の「海」を感じ、「観光」を楽しみ、「食」を味わう、そして一流の花火の鑑賞へ、五感を刺激する何とも贅沢な時間を過ごしていただけること間違いなしです。

このように、年に数回ではありますが、大洗港発着のクルーズ企画をより一層進化させることで、観光資源も人の心も豊かな大洗町(町長のお名前も豊さんですね)に貢献すべく力を注いで参ります。
大洗町の益々のご発展、ご繁栄を心からお祈りしております。

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