永岡文部科学大臣に対し大洗町議会と連名で要望書を提出しました

令和4年9月29日(木曜日)、永岡文部科学大臣に対し大洗町議会と連名で、原子力研究開発に関する要望書を提出しました。

写真左から、加藤明良参議院議員、上月良祐参議院議員、國井豊町長、永岡桂子文部科学大臣、山本左近政務官、飯田英樹町議会議長

要望書(PDF)

本町は、日本原子力研究所の立地が昭和38年に決定されて以来、半世紀以上にわたり原子力関連施設の立地自治体として、国策で進める原子力研究開発を推進してまいりました。
現在、本町には国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)が運転する、材料試験炉(JMTR)、高速実験炉「常陽」、高温工学試験研究炉(HTTR)の3つの特色ある原子炉が立地し、国内有数の原子力研究開発拠点として、我が国の原子力開発に大きく貢献しています。
しかしながら、近年の原子力に関する国予算については、廃炉措置や新規制基準対応へと予算の多くが割り当てられており、本来必要な原子力研究開発に対する予算が減少傾向にあることから、原子力研究開発に必要な予算を確保するとともに、既存研究炉等を活用した研究開発の推進や地元業者への受注機会の確保などについて、永岡文部科学大臣へ要望を行いました。

材料試験炉(JMTR)

昭和43年に運転を開始して以来、原子炉材料や燃料の基礎研究、安全研究、発電炉の開発やRI(ラジオアイソトープ)製造のような様々な原子力研究開発活動に貢献してきましたが、令和3年3月に廃止措置計画が認可され、今後、原子炉の解体や放射性廃棄物の処理・処分が計画的に行われます。
一方、これまで蓄積した照射技術を継承し、将来の新しい照射試験炉の建設に向けた検討が今後開始される予定です。

高速実験炉「常陽」

高速増殖炉である「常陽」は、高いエネルギーの中性子(高速中性子)を使うことで、原子炉を運転しながら消費するよりも多くの燃料を生み出すことができる原子炉です。昭和52年に運転を開始し、長期的エネルギーの安全保障・地球環境問題に対応するため、高速炉を中心とする核燃料サイクルの確立に向けた技術開発に取り組んでいます。
また、これまで蓄積した試験技術と経験を活用して放射性廃棄物を減らすための研究開発も進めています。

高温工学試験研究炉(HTTR)

平成10年に運転を開始したHTTRは、原子炉から非常に高い熱を取り出すため、ヘリウムガスを利用している高温ガス炉です。ヘリウムガスはとても安定した物質で、外の影響を受けにくく、約1000℃という高温の熱エネルギーを取り出すことができます。この高い熱エネルギーを利用して、発電だけでなく、二酸化炭素(CO2)を排出せずに、環境にやさしい、次世代のエネルギーとして注目されている水素をつくることができ、カーボンニュートラル実現への貢献が期待されています。
また、高温ガス炉であるHTTRは、理論上、炉心溶解や水素爆発を起こさないことから、軽水炉と比べて安全性が高い原子炉となっています。

 

また、文部科学省への要望後、本町に大洗研究所が立地する、JAEAの東京支社を訪問し、理事長などと意見交換を行いました。

JAEAは、わが国唯一の原子力の総合的な研究開発機関として、原子力科学を通じて、人類社会の福祉と繁栄に貢献することを目指しています。

今後、本町としましても、引き続き文部科学省並びに国立研究開発法人日本原子力研究開発機構と連携し、原子力研究開発の推進に努めてまいります。

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