大洗町健康増進・食育推進計画

第3次大洗町健康増進計画・食育推進計画
計画期間:令和8年度から令和12年度までの5年間

Ⅰ:計画の位置づけ

「健康増進法」(平成14年法律第103号)第8条および「食育基本法」(平成17年法律第63号)第18条に基づき、「健康日本21(第3次)」および「第4次茨城県健康増進計画(健康いばらき21)」の内容を踏まえ、「大洗町総合計画」を上位計画とし、「大洗町データヘルス計画」との整合性を図りながら、町民の健康づくりを総合的に推進する計画である。

Ⅱ:基本理念

1人ひとりが 健康の主役になるまち

Ⅲ:第2次健康増進計画・食育推進計画評価結果

1.がん対策

(1)がん検診受診率(一次検診)

改善・達成
大腸がん   : R1 17.1% → R5 23.2%(県16.0%超、目標22.1%達成)
子宮頸がん: R1 11.5% → R5 17.5%(県15.8%超、目標21.5%達成)

停滞・低下
肺がん:31.2% → 29.4%(目標36.2%未達)
胃がん:13.7% → 11.2%(目標18.7%未達)
乳がん:26.0% → 16.2%(目標31.0%未達)


➡ 評価
一部改善はみられるが、全体として受診率は伸び悩み。特に乳がん・胃がんで低下がみられ、働く世代・若年女性の受診促進が課題である。

(2)がん検診精密検査受診率(二次検診)

肺がん:87.5% → 96.6%(目標90%達成、県84.0%超)
胃がん:82.9% → 86.4%(目標85%達成)
乳がん:94.4% → 100%(目標95%達成)
子宮頸がん:100% → 100%(目標100%達成)
大腸がん:76.7% → 75.8%(目標80%未達)


➡ 評価
精密検査受診率は極めて高水準で、個別勧奨によるフォロー体制が機能。一方、大腸がんは身体的・心理的負担による未受診が課題である。

2.特定健診・生活習慣病対策

(1)特定健診受診率

全体:35.1% → 35.4%(微増、県37.1%を下回る7gh)
40代男性:22.4% → 18.9%(大幅低下)
50代男性:20.2% → 25.2%(改善するも低水準)
40代女性:25.0% → 30.0%(改善するも目標40%未達)


➡ 評価
全体は横ばい。特に40代男性の受診率低下が顕著で、完全予約制移行の影響が示唆される。

(2)生活習慣病リスク者の推移

高血圧リスク:6.6% → 6.4%(県6.6%以下)
糖尿病リスク:1.1% → 1.0%(県0.9%と同水準)
脂質異常リスク:4.4% → 3.1%(改善したが県2.5%を上回る)


➡ 評価
全体的に改善傾向。ただし、脂質異常リスクは依然高く、食生活改善が重点課題である。

3.歯科口腔対策

小学生歯肉不良:5.9% → 5.1%(目標4.0%未達)
中学生歯肉不良:6.0% → 7.4%(悪化)
歯周病検診受診率:6.8% → 4.0%(目標10%未達)


➡ 評価
全体として悪化傾向。町民の関心不足や歯科保健行動の定着不足が課題である。

4.食育・肥満対策

間食管理家庭:79.1% → 81.3%(目標85%未達)
朝食摂取率
 小学生:89.8% → 85.3%
 中学生:87.5% → 82.4%(ともに低下)
肥満傾向児
 小学生:14.3% → 16.1%
 中学生:12.6% → 14.9%(悪化)
地産地消認知
 小学生:83.4% → 75.5%
 中学生:84.4% → 89.2%(目標95%未達)


➡ 評価
全指標で目標未達。生活習慣・家庭環境の影響が大きく、世代別アプローチが必要である。

5.総合評価(数値に基づく結論)

改善が認められた分野
がん精密検査受診率、生活習慣病リスクの一部

停滞・悪化が顕著な分野
がん検診受診率、特定健診、歯科口腔対策、食育・肥満対策


➡ 総括
数値から、一部の取組では成果が確認できたものの、受診行動や生活習慣の「実践」に結びついていない分野が多く、次期計画では行動変容を促す仕組みづくりが不可欠である。

 

Ⅳ:課題と展開

(1)健康推進計画

1.施策体系の再編・重点分野の明確化

【課題】
第2次計画の評価において、がん検診や特定健診の受診率が目標に達していないこと、循環器疾患や脂質異常症等による重症化リスクが依然として高いことが課題である。

【展開】
第2次計画では、生活習慣病、日常生活習慣、ライフステージ別施策を幅広く設定していたが、第3次計画では、がん対策、生活習慣病予防・重症化予防、健康寿命延伸(口腔保健)に施策体系を整理し、健康寿命の延伸と健康格差の縮小に直結する分野へ重点化を図った。

2.がん対策における「受診しやすさ」重視への転換

【課題】
第2次計画期間中、精密検査受診率は高水準を維持していた一方で、がん検診受診率は全体として伸び悩んでおり、特に働く世代において受診機会の確保が課題である。

【展開】
第2次計画では、がん予防や検診の啓発を中心としていたが、第3次計画では、個別医療機関での検診実施、休日検診や他健診との同時実施、インターネット予約の導入、未受診者・精密検査未受診者への継続的フォローなど、受診行動につなげる具体的な取組を強化した。

3.生活習慣病対策における「重症化予防」の強化

【課題】
循環器疾患や腎不全等の医療費割合が高く、健診結果で治療が必要と判定されながら受診・服薬に至っていない者が一定数存在することから、健診後の行動につなげていく必要がある。

【展開】
第2次計画では、生活習慣の改善による発症予防を主としていたが、第3次計画では、特定健診・特定保健指導の利便性向上、未治療者・治療中断者への受診勧奨、レセプトデータ等を活用した個別フォローを明確に位置づけ、重症化予防対策を強化した。

4.歯科口腔保健を「健康寿命延伸の柱」として再整理

【課題】
歯周病とフレイル、誤嚥性肺炎、生活習慣病との関連が明らかとなっているが、歯周病検診受診率が低迷していることが課題である。

【展開】
第2次計画では、歯・口腔分野を生活習慣の一項目として位置づけていたが、第3次計画では、歯周病検診受診率向上、6424運動・8020運動の推進、子どもから高齢期までの一体的な口腔保健を健康寿命延伸に直結する重要施策として独立的に位置づけた。

5.ICT活用と働く世代へのアプローチの明確化

【課題】
第2次計画の評価において、40~50歳代を中心に健診受診率が低い傾向が続いており、従来の周知方法のみでは行動変容につながりにくいことが課題である。

【展開】
第3次計画では、SNS、インターネット予約、オンラインを活用した特定保健指導等、ICTを活用した取組を明確に位置づけ、働く世代へのアプローチを強化した。

6.ライフステージ施策から「切れ目のない支援」への整理

【課題】
食生活や口腔ケア等の生活習慣は、子どもの頃からの積み重ねが将来の健康状態に大きく影響するため、分野別ライフステージ別の施策では不十分であることが課題として挙げられる。

【展開】
子どもから高齢期までの健康づくりを、がん対策・生活習慣病対策・口腔保健と一体的に推進する構成とした。

 

(2)食育推進計画

1.施策の視点を「家庭・学校中心」から「生涯を通じた食育」へ拡充

【課題】
第2次計画の評価において、朝食欠食や肥満傾向、生活習慣病リスク等が、学童期だけでなく成人期・高齢期にも継続してみられている。

【展開】
第2次計画では、「家庭」「保育所・学校」を中心とした食育を主軸としていたが、第3次計画では、学童期、成人期・壮年期、高齢期までを含めた生涯を通じた切れ目のない食育の推進を基本目標として位置づけ、ライフステージ全体を見据えた施策構成とした。

2.学童期の食育を「生活習慣病予防」につなげる取組へ再整理

【課題】
第2次計画期間中において、朝食欠食や肥満傾向が一定割合で見られたこと、また生活習慣病の発症には学童期からの生活習慣が大きく影響することから、予防の観点をより明確にした施策展開が必要である。

【展開】
第2次計画では、基本的な食習慣や食への感謝の醸成を中心としていたが、第3次計画では、朝食摂取、よく噛む習慣、子どもの肥満予防を明確に位置づけ、将来の生活習慣病予防を見据えた食育として重点化した。

3.若い世代への新たな視点として「プレコンセプションケア」を導入

【課題】
若い世代において、食生活の乱れややせ・肥満等の課題がみられる中、将来の妊娠・出産や次世代の健康にも影響することから、妊娠前からの健康づくりの重要性を踏まえた食育が必要である。

【展開】
第3次計画では、第2次計画にはなかった取組として、プレコンセプションケアの推進を新たに位置づけ、若い世代に対する食生活・健康意識の向上を図る施策を追加した。

4.成人期・壮年期における「メタボ・重症化予防」を明確化

【課題】
健康増進計画やデータヘルス計画の分析において、循環器疾患や腎疾患のリスクが高いことが明らかとなった。

【展開】
第2次計画では、成人期の食育を包括的に位置づけていたが、第3次計画では、メタボ該当者・予備群への栄養相談、糖代謝異常、脂質異常症、高血圧改善に向けた栄養教育、減塩を中心とした循環器疾患・腎疾患予防を重点取組として整理し、生活習慣病の発症・重症化予防に直結する食育を強化した。

5.働く世代、特に男性を意識した実践的食育の追加

【課題】
第2次計画では、働く世代への具体的なアプローチが十分とは言えず、健診結果と食生活改善が結びつきにくい状況が見られたことから、実生活に即した支援の必要がある。

【展開】
第3次計画では、外食・中食の利用が多い働く世代、特に循環器疾患死亡率が高い男性を対象とした、栄養成分表示の活用や食品選択に関する実践的な食育を新たに位置づけた。

6.高齢期の食育を「低栄養・フレイル予防」として強化

【課題】
高齢者における低栄養が、フレイルや肺炎、要介護状態につながるリスク要因であることから、栄養・口腔・運動・社会参加を組み合わせた食育の強化が必要と判断した。

【展開】
第2次計画では、高齢者の食育を全世代施策の一部として位置づけていたが、第3次計画では、低栄養予防、たんぱく質摂取の重要性、口腔ケアとの連携を明確にし、重症化予防事業と連動した一体的な取組として整理した。

7.「地産地消」から「持続可能な食」への視点拡大

【課題】
社会全体で環境問題や持続可能性への関心が高まる中、食育においても「健康」だけでなく、「環境」「地域資源」「文化」を含めた視点を求めていく必要がある。

【展開】
第2次計画の地産地消の取組を継承しつつ、第3次計画では、食品ロス削減、環境に配慮した食の選択、SDGsの視点を取り入れ、持続可能な食を支える食育として再整理した。

お問い合せ
健康増進課 健康増進係
代表電話番号
029-266-1010
FAX
029-266-1012
Mail
お問合せフォーム
SNSでシェアする